MAGAZINE取材記事
ARTISTS 2019.02.15

手軽に始められるTouchDesignerで
無限の可能性を感じてほしいと思います

タワーアカデミーでTouchDesigner講座の講師を務めるビジュアルアーティスト、プログラマーの松山周平氏にこれからの時代に求められるTouchDesignerの魅力、そして可能性について聞く

TouchDesignerは例えればペンのようなものです。
ペン一つあれば漫画も描けるし、小説も書ける、というような。

まずはTouchDesignerの特徴を教えてください。

TouchDesignerはその手軽さ、とっつきやすさから日本でも徐々にユーザーが増えているビジュアルプログラミングツールです。特に特徴的なのはプログラムが書けなくても直感的に映像作品を作ることができる点です。その一方で、ツール自体はハイエンドにも対応していますので、知識を身につけることで表現できる領域はまさに多彩。例えればペンのようなものです。ペン一つあれば漫画も描けるし、小説も書ける、というような。

プログラミングが必要なく、箱と箱をクリックでつなげるだけで視覚的に映像を制作できる手軽さが大きな特徴

最近では、グラフィックデザインの会社がTouchDesignerを導入したり、また、TouchDesignerを使って映像作品を発表するプログラマーも増えていますね。デザイナーはデザイン、プログラマーはプログラミングという形で、縦割りだった制作会社内で、職能を越境するツールとしてデザイナーにTouchDesignerを触らせているなどの事例も増えてきています。

職種の敷居も軽々と超えて、従来では考えられなかったようなコラボレーションが起こり始めているのですね。

ええ。講師として教えている私のほうが、「え!? こんな使い方もあるんだ!」と教えられることも多いんです。TouchDesignerにはセオリーがないので、その使い方は無限と言っても過言ではありません。日々、更新されているといえます。

講座で必要なのはやる気とパソコンだけ。
基本機能をマスターして自分の表現したい作品が制作できるように。

可能性が無限に広がるTouchDesignerですが、実際に『タワーアカデミー』での講座を受けるにあたって必要なものは?

TouchDesignerのソフトは無料ダウンロードができますので(無料版は商用利用不可。また解像度などの機能制限あり)、パソコンさえお持ちでしたらどなたでも始められます。初心者が試すにはもってこいのツールだと思います。ハイエンドを目指すこともできますしね。ですから、講座で必要な持ち物はやる気とパソコンだけでOKです。

準備も簡単ですね!

初めて触った方でも、しばらく操作していれば映像ができてしまうとっつきやすさは、本当に大きな魅力です。そこから自分のやりたい表現に落とし込んでいくために必要なことを学んでいただくのがこの講座です。英会話や楽器…どんなものでもそうですが、一人でやっていると行き詰まって辞めてしまうということも思うんです。行き詰まらないように楽しみながら身につけていただくのがこの講座です。プロとして活躍するための基本スキルを、楽しみながら身につけていっていただけるような講座を目指しています。

具体的にはどんな内容になりますか?

作品作りにおいて大切なのは同じ志を持つグループで、みんなの作ったものを見ながら意見交換することだと思うんです。プロとして活躍する講師陣の指導のもとで、TouchDesignerでどんなことができるのかを体感していただきながら、グループワークで課題を発表しあっていい刺激をどんどん持ち帰っていただけるようなカリキュラムにしていきたいと思っています。講座を通して基本機能を使い自分の表現したい作品が制作できるようになります。

また、TouchDesignerの手軽さ身近さを味わっていただきながら、トッププレイヤーになればこんなこともできるという将来性もお見せしますので、TouchDesignerの無限の可能性を感じていただければと思います。

TouchDesignerは時代の潮流。
活躍の場はワールドワイドに広がります

TouchDesignerが使えるとどんなシーンで活用できそうですか?

使えるシーンは多彩だと感じています。映像を作る、という観点では、感覚的にしかも早くプロトタイプを作れる良さがあります。私の場合ですと「楽しい体験を提供する」というミッションがあるのですが、体験の面白さの判断は紙ベースの企画書だとなかなか伝わらないんですね。でもTouchDesignerを使えば制作時間やコストといったリスクを最小限に抑えて面白味の判断がつくところまで手軽に作ることができるので企画の提案がしやすくなりましたし、クライアントの納得にも繋がりやすくなりました。

ビジネスシーンでもより角度の高い企画提案ができそうですね。

はい。本当に手軽ですから、デザインや映像制作といった領域以外でも活躍シーンは広がると思います。もう一点、少し視点ずらしてみると、今ではTouchDesignerを使う必要がない作業も、仕事として成立させるために導入するというケースが増えてきています。

と、いいますと?

私が仕事として使っている実感として、映像制作など従来の作業をTouchDesignerに置き換えることで、スピードもクオリティーも上がるシーンが多くあります。TouchDesignerを使うことで得られるスピード感とプロトタイプ力という役割は、これからの時代に大きな可能性がある、と感じています。

では、TouchDesignerの可能性について。

私の手がけるプロジェクトでいえば、TouchDesignerでやってほしいという案件は増えていますが、現状ではTouchDesignerが使えるプレイヤーが足りていません。ですから、仕事として使えるシーンは今後増えていくと思います。
さらに海外に目を向けてみると、つねにTouchDesignerを使えるプレイヤーの募集が常にあるんです。これからのCGや映像は”組織的に、大きな力で時間をかけて作り込む”から、”よりリアルタイムに、より直観的に作っていこう”という流れを感じます。時代の潮流ですので、活躍の場はワールドワイドに広がるのではないでしょうか。

ワールドワイドということであれば、データの送受信容量とスピードが格段に上がる5Gが導入されると、オンラインでの強みというも…。

確かにそうですね。離れた場所でもクリエイター同士のコラボレーションが手軽になり、映像でリアルタイムな体験ができれば、TouchDesignerの活躍の場はさらに広がりそうです。日本にいながら海外でも活躍できる…映像の世界でもそんな未来がぐんと近づくと思います。

松山周平 プロフィール
株式会社ティーアンドエス THINK & SENSE 部長/クリエイティブレーベルnor所属。
ビジュアルアーティスト、プログラマー。オーディオ・ビジュアル作品、インタラクティブなインスタレーション、MVのビジュアルエフェクトなど多岐に渡る活動を行っている。またTouchDesigner User Group Japanを主催しワークショップなど多彩な活躍。著書に国内初のTouchDesigner入門解説書「Visual Thinking with TouchDesigner」がある。

松山さんもゲスト講師として登壇するTouchDesigner講座〜Basic編〜 紹介ページはこちらです。